空間と作品(アーティゾン美術館)

9時55分に京橋駅に到着。

 

アーティゾン美術館。

1952年1月8日、ブリヂストン美術館開館。株式会社ブリヂストンの創業者・石橋正二郎が、京橋に新築したブリヂストンビル2階に美術館を開設し、自身のコレクションを公開。

2015年5月18日よりビルの建て替えに伴う新築工事のため長期休館。

2020年1月18日、ミュージアムタワー京橋にアーティゾン美術館開館。

 

「ARTIZON」(アーティゾン)は、「ART」(アート)と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語で、時代を切り拓くアートの地平を多くの方に感じ取ってほしいという意志が込められている。

美術館のコンセプトは「創造の体感」。単に観賞の場を提供するだけでなく、見る、感じる、知ることにより作品の創造性を体感し、そのインスピレーションがいつか新たな時代を切り拓くきっかけとなることを願っているらしい。

アーティゾン美術館 Artizon Museum, Tokyo

 

東京駅周辺美術館共通券を使用。

3月14日に静嘉堂文庫美術館三井記念美術館を訪れた時のブログ。

5月30日に東京ステーションギャラリーを訪れた時のブログ。

 

「空間と作品」展

美術品は邸宅の建具として作られたり、プライベートな部屋を飾るために描かれたりと、それを所有する人との関係によって生み出された。

この展覧会は、モネ、セザンヌ藤田嗣治岸田劉生琳派による作品や抽象絵画まで、美術品がどのような状況で生まれ、どのように扱われ、受け継いでこられたのか、その時々の場を想像し体感できる。

 

音声ガイドは「ARTIZON MUSEUM公式アプリ」で無料で利用できる。

公式アプリ - アーティゾン美術館

出品作品リスト6階

https://www.artizon.museum/exhibition_sp/place_and_piece/assets/docs/list_6f.pdf

出品作品リスト5-4階

https://www.artizon.museum/exhibition_sp/place_and_piece/assets/docs/list_5f_4f.pdf

 

6階

円空《仏像》、江戸時代17世紀

カミーユピサロ《四季》(冬、春、夏、秋)、1872-73年

パブロ・ピカソ《腕を組んですわるサルタンバンク》、1923年

円山応挙《竹に狗子波に鴨図襖》、江戸時代18世紀

 畳に座って見ることができる。

ポール・セザンヌ《鉢と牛乳入れ》、1873–77年頃

ザオ・ウーキー《無題》、1962年

ロベール・ドローネー《街の窓》、1912年

佐伯祐三《テラスの広告》、1927年

山口長男《累形》、1958年

エットレ・ソットサス《二段組みのサイドボード(Model MS. 120)》、1959年(デザイン) / 1959年(製作:ポル

トロノーヴァ)

ロバート・ライマン《クレスト》、1980年

エットレ・ソットサス《トーテムNo.2》、1964年(デザイン)/1996年(製作)

 

「空間と作品」は二つの要素の組み合わせではなく、介在する人の存在によって成り立つといえる。作品が置かれた場所や、作品に関わった人の存在によって、その時々に様々な意味合いが生じる。

今、作品に対面している自分が、それらの作品との新しい関係性をつくり、新たな場をなしている。

 

5階へ

《セクメト神立像》、新王国時代 第18王朝・アメンへテプ3世治世

青木繁《海景(布良の海)》、《海》、1904年

 他にも青木の創作に影響を及ぼした友人たちが所蔵したものたちが展示されていた。

古賀春江《素朴な月夜》、1929年

ヴァシリー・カンディンスキー《二本の線》、1940年

 線が二本より多い。

ジャクソン・ポロック《ナンバー2、1951》、1951年

モーリス・ド・ヴラマンク《色彩のシンフォニー(花)》、1905–06年頃

メアリー・カサット《娘に読み聞かせるオーガスタ》、1910年

安井曾太郎《F夫人像》、1939年

平治物語絵巻 六波羅合戦巻断簡》、鎌倉時代 13世紀

 鎌倉時代平治の乱を絵画化した絵巻で、当初は十数巻あったようだが、現存するものは東京国立博物館静嘉堂文庫美術館ボストン美術館の3巻のみ。
この断簡は動きのある兵士を端に寄せて中央に大きく余白をとる構図に仕上がっているが、だれがどのような意図で切り詰めたかは不明。

ジョルジュ・ビゴー《日本の女》

パブロ・ピカソ《道化師》、1905年

前田青邨風神雷神》、1949年頃

俵屋宗達伊勢物語図色紙 彦星》、江戸時代 17世紀

ジョージア・オキーフ《オータム・リーフ II》、1927年

 マイクロソフト共同創業者のポール・アレンが持っていた。

パウル・クレー《島》、1932年

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《サーカスの舞台裏》、1887年頃

コンスタンティンブランクーシ《接吻》、1907–10年

野口小蘋《谿山畳翠図》、1899年

 明治天皇の遺愛品。

横山大観神州第一峰》、1930年

竹内栖鳳《鰹図》、1927–30年頃

 秩父宮と同妃の久留米滞在のために宿舎を新築することとなり、内部を装飾するための美術品を石橋正二郎が依頼。

岡田三郎助《婦人像》、1907年

ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》、1876年

 

雪舟《四季山水図》、室町時代15世紀、重要文化財

 目の前に広がる現実の世界ではなく、自然と一体になって自分を高めていこうとする人たちの心の中にある理想の風景が描かれている。

《武蔵野図屛風》、江戸時代17世紀

因陀羅《禅機図断簡 丹霞焼仏図》、元時代14世紀、国宝

中国 龍泉窯《青磁鉄斑文瓶(飛青磁花瓶)》、元時代14世紀、重要文化財

 

ジャン=フランソワ・ミレー《乳しぼりの女》、1854–60年

エドガー・ドガ《右足で立ち、右手を地面にのばしたアラベスク》、1882–95年

エドゥアール・マネ《自画像》、1878–79年

クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》、1908年頃

パブロ・ピカソ《女の顔》、1923年

 絵の具には砂が混ぜられ、彫刻のような質感。

ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》、1904–06年頃

アリスティド・マイヨール《欲望》、1905–08年

 

4階へ。

クリスチャン・ダニエル・ラウホ《勝利の女神

アンリ・マティス《縞ジャケット》、1914年

アンリ・マティス《両腕をあげたオダリスク》、1921年

岸田劉生《麗子像》、1922年

 岸田劉生は劉生縁という呼称があるほど額にこだわった。

青木繁《わだつみのいろこの宮》、1907年、重要文化財

山下新太郎《リオン・ド・ベルフォール広場》、1909年

山下新太郎《モンパルナスのテアトル・ド・ラ・ゲーテ》、1908–10年

 山下のアンティーク額コレクションは有名。

藤田嗣治《猫のいる静物》、1939–40年

 猫は藤田が好んだキジトラという毛並み。

藤田嗣治《ドルドーニュの家》、1940年

ピエール=オーギュスト・ルノワール《少女》、1887年

カミーユピサロ《ブージヴァルのセーヌ川》、1870年

 

酒井抱一・鈴木其一《夏図(十二ヶ月図の内)》、江戸時代19世紀

 絵のまわりの表具は裂地を組み合わせて仕立てるが、これは絵具で描かれている。中が酒井抱一、表装が鈴木其一と、師匠と弟子のコラボレーション。

鳥獣戯画断簡》、平安時代12世紀

豊臣秀吉《書翰》、安土桃山時代16世紀

 

黒田清輝《ブレハの少女》、1891年

ピエール・ボナール《ヴェルノン付近の風景》、1929年

国吉康雄《夢》、1922年

 

ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》、1872年

クロード・モネ《睡蓮の池》、1907年

レンブラント・ファン・レイン《聖書あるいは物語に取材した夜の情景》、1626–28年

ポール・ゴーガン《乾草》、1889年

シャイム・スーティン《大きな樹のある南仏風景》、1924年

ジョルジュ・ルオー《ピエロ》、1925年

パブロ・ピカソブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙》、1913年

ジョルジュ・ブラック《円卓》、1911年

ピート・モンドリアン砂丘》、1909年

ジーノ・セヴェリーニ《金管奏者(路上演奏者)》、1916年頃

 幾何学的な要素のある絵には装飾的な額より、すっきりとしたデザインの方が合う。

岸田劉生《麗子坐像》、1920年

 絵の裏面にはスケッチ。

青木繁《海の幸》、1904年、重要文化財

ヴァシリー・カンディンスキー《3本の菩提樹》、1908年

斎藤義重《作品》、1965年

草間彌生《無題(無限の網)》、1962年頃

 額という境界線を設けないことで、カンヴァスの外側にまで無限の網を侵食させようとしている。

野見山暁治《あしたの場所》、2008年

 「裸でよければ、服も着ないし。なくてもよいなら、額は付けない。」

どうして額を付けないのか尋ねた時の、野見山の返事。

ポール・セザンヌ《帽子をかぶった自画像》

パブロ・ピカソ《生木と枯木のある風景》、1919年

牛島憲之《タンクの道》

藤田嗣治《横たわる女と猫》

 美術館で作った額。

以前の額

アルベルト・ジャコメッティ《矢内原》、1958年

 

最後に、4階の最初のマティスのコーナーを見るように促される。

「あ、と気づくこと」があるらしい。

 

同じマティスの作品でも額は様々であることには気づいた。

スタッフの方に聞いてみたら、額が様々であるということは、色々な人の手に渡り、それぞれの場所で額が用意されたのではないかというようなことを言っていた。

 

インフォルームを通り過ぎ、創設者である石橋正二郎の像を見て帰る。

創設者・石橋正二郎 - アーティゾン美術館

久留米市美術館といい、とても有り難い。

久留米市美術館 | 石橋文化センター

公益財団法人 石橋財団 - ISHIBASHI FOUNDATION

 

アーティゾン美術館は前回見た「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌフォーヴィスムキュビスムから現代へ」もとても良かった。

2023年6月8日にアーティゾン美術館を訪れた時のブログ。

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ

 

途中に、ミュージアムカフェで、豚ロースの香草マリネ 柚子胡椒とマジョラムのソースのAセットを食べた。

16時54分に宝町駅発の都営浅草線京急本線で約40分、17時33分に横浜駅に到着。

 

いつの間にか横浜にギャレット ポップコーン ショップスCIAL横浜店ができていた。

ギャレット ポップコーン ショップス®CIAL横浜店」が2024年5月1日(水)にグランドオープン!

横浜エリア再上陸!「ギャレット ポップコーン ショップス®CIAL横浜店」が2024年5月1日(水)にグランドオープン! | Japan Garrett Popcorn Shops

 

今日のホテルは、横浜東急REIホテル。

スタンダードクイーン。

【公式】横浜 東急REIホテル|新高島駅から徒歩2分