10時49分に竹橋駅に到着。
東京国立近代美術館
美術館の建物は石橋正二郎が建設して寄贈した。設計は谷口吉郎。
MOMAT PASS SINGLEを使用。
杉本博司 絶滅写真
作品リスト
https://www.momat.go.jp/wp-content/uploads/2026/06/Sugimoto-List-Japanese-1.pdf
初期から近作まで全13のシリーズが3章構成で展示される。
1章 時間・光・記憶
初期三部作と呼ばれる〈ジオラマ〉〈劇場〉〈海景〉の3つのシリーズ。
表現手段は写真だが、作品は写真として見られるのではなく、観念芸術でなくてはならない。
〈ジオラマ〉
動くものの姿を止めてみせる写真というメディアは、動かない剥製の姿を、あたかも命ある動物の一瞬の様子のように見せる装置として機能している。
「どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ」
《ガラパゴス》1980
《アビシニアコロブス》1980
《ゴリラ》1994
《類人》1994
《ホモ・エレクトス》2025
《ネアンデルタール》1994
《ポコット族》2025
《クロマニヨン》1994
〈劇場〉
一本の映画を始まりから終わりまで長時間露光で撮影することで、映画の物語は、真っ白に輝く四角い光へと還元される。
《ガルニエ宮、パリ》2019
《シネラマ・ドーム、ハリウッド》1993
《パレス・シアター、ゲーリー》2015
《華厳滝》1977
〈海景〉
「原始人の見ていた風景を、現代人も同じように見ることは可能か」
《カリブ海、ジャマイカ》1980
《エーゲ海、ピリオン》1990
《相模湾、江之浦》 2025
2章 観念の形
〈建築〉
「私は大型カメラを使い、焦点を暈すことによって、建築が建つ前の建築家の脳内ビジョンが再現できるのではと考えた」
《クライスラービル》1997
《S.C. ジョンソンビル》2001
《ワールド・トレード・センター》1997
《シーグラムビル》1997
《アインシュタイン・タワー》2000
《サヴォア邸》1998
〈スタイアライズド・スカルプチャー〉
1920年代以降のファッションの歴史を扱っているシリーズ
〈観念の形〉
《スタイアライズド・スカルプチャー118[クリスチャン・ディオール、Soirée 1947]》2025
《数理模型 014 定曲率曲面、双曲型の回転面》2012
《スタイアライズド・スカルプチャー120[クリスチャン・ディオール、Bar 1947]》2025
3章 絶滅写真
〈前写真、時間記録装置〉
「化石と写真が同じ原理によって機能しているからだ。どちらも時間の痕跡を写すのだ」「私は写真とは現在を化石化する行為であるということに気づいた」
《P.P.T.R.D. 037 棘のある三葉虫》2008
〈フォトジェニック・ドローイング〉
《フォトジェニック・ドローイング 015 タルボット家の住み込み家庭教師、アメリナ・ペティ女史と考えられる人物 1840–1841年頃》2008
〈肖像〉
「剥製の白熊が生きているように撮れるのなら、蠟人形も生きているように撮れるだろう」
《リチャード一世》1999
《ヘンリー八世》1999
王室画家ホルバインが描いた肖像画を忠実に再現した蠟人形を元の絵のイメージに限りなく近づけるように再現した。
「絵画、彫刻、写真による現代美術における聖なる三位一体が実現した。」
《ナポレオン・ボナパルト》1999
〈放電場〉
暗室の微妙な温湿度の差によってフィルムに静電気が帯電し、それが放電するときの小さな火花がフィルムを損傷してしまう。長年にわたってありとあらゆる対策を講じたが、克服には至らなかった。
「勝つことが出来ないのなら次善の策は何か、それはその敵を味方にしてしまえば良い」。暗室内で人工的に放電を発生させ、その小さな雷のような光跡をとらえたシリーズ。
《放電場 163》2009
《放電場 138》2009
《放電場 128》2009
《放電場 227》2009
〈Opticks〉
1704年出版のアイザック・ニュートンの『光学』英語版の初版に記された、プリズムによる光の分光実験を再現した。光学ガラスを磨いてプリズムを立て色面の中にカメラを持って入った。
「光を絵の具として使った新しい絵を描くことができた」
《Opticks 416》2018
《Opticks 075》2018
《Opticks 066》2018
《Opticks 027》2018
《Opticks 087》2025
〈陰翳礼讃〉
真夏の夜、すべての窓が開け放たれた部屋で、一本の蠟燭に火が灯され、やがて燃え尽きる。その間、カメラのシャッターを開け続け、暗闇の中で風に揺れる火を見つめながら、「蠟燭の一生」を記録した。
《陰翳礼讃 98.0001》1998
《CAMERA MAN》2026
伝寂蓮法師《地獄草子詞書断簡》平安時代
《光学硝子五輪塔 335 ノルウェー海、ベステローデン諸島》2011/1990
出典:森美術館「杉本博司 時間の終わり」図録、『影老日記』新潮社、『江之浦奇譚』岩波書店、『歴史の歴史』新素材研究所、『アートの起源』新潮社
小田原文化財団 江之浦測候所
特別展を出て、常設展へ。
所蔵作品展 MOMATコレクション(2026.5.26–2026.9.13)
所蔵作品展 MOMATコレクション(2026.5.26–2026.9.13) - 東京国立近代美術館
作品リスト
https://www.momat.go.jp/wp-content/uploads/2026/05/55963e1188482ec5103fda804602fcb2.pdf
エレベーターで4階へ。
眺めのよい部屋
1~5室、1880s-1940s明治の中ごろから昭和のはじめまで
1室、ハイライト
北野恒富《戯れ》1929年
小倉遊亀《浴女 その一》1938年
小倉遊亀《浴女 その二》1939年
ポール・セザンヌ《大きな花束》1892-95年頃
パウル・クレー《花ひらく木をめぐる抽象》1925年
ジョアン・ミロ《絵画詩(おお!あの人やっちゃったのね)》1925年
マックス・エルンスト《砂漠の花(砂漠のバラ)》1925年
ピエール・ボナール《プロヴァンス風景》1932年
藤田嗣治《五人の裸婦》1923年
奈良美智《Harmless Kitty》1994年
2室、坂の上の雲
菱田春草《王昭君》1902年、重要文化財
原田直次郎《騎龍観音》1890年、重要文化財
北村西望《怒涛》1915
和田三造《南風》1907年、重要文化財
黒田清輝《落葉》1891
3室、わたしと太陽
萬鉄五郎《裸体美人》1912年、重要文化財
荻原守衛《女》1910年
4室、海を渡った新版画
吉田博《帆船 朝日》1921年
川瀬巴水《「旅みやげ 第三集」より 星月夜(宮島)》1928
川瀬巴水《二重橋の朝》1930
5室、風景の動員
藤島武二《港の朝陽》1934
石井柏亭《西部蘇満国境警備》1944
栗原信《湘江補給戦に於ける青紅幇の協力》1945
階段で3階に下りる。
6~8室、1940s-1960s 昭和のはじめから中ごろまで
6室、鋼鉄の夢、廃墟の傷
7室、オヘソの手術
岡本太郎《夜明け》1948
山口勝弘《ヴィトリーヌ No.47(完全分析方法による風景画)》1955
建物を思う部屋、ソル・ルウィット《ウォールドローイング#769》
ソル・ルウィット| ウォール・ドローイング#769 2020年12月22日~公開(所蔵品ギャラリー3F|建物を思う部屋) - 東京国立近代美術館
8室、物質化か非物質化か
ソル・ルウィット《形態の複合#6》1987年
河原温《JULY 15, 1970, Todayシリーズ(1966-2013)より》1970
9室、ヴィデオ(私はみる)
10室、劇場・海景・スギモトノート/風を表す
杉本博司《スギモトノート》1982年頃
〈海景〉をめぐるいろいろなプラン
杉本博司《スギモトノート》1993年頃
〈劇場〉の撮影記録
「スギモトノート」は写真作品制作における、撮影時および暗室での作業工程の覚書を記したノート。レプリカもあった。
結城素明《夏山三趣》1918
中島清之《川風》1964
菱田春草《四季山水》1909
更に階段を下りて、2階。
11~12室 1970s-2010s 昭和の終わりから今日まで
11室、イメージ:出現と消失
12室、イメージ:内なる力
草間彌生《冥界への道標》1976年
ギャラリー4では、「生誕120周年 長谷川三郎と国立近代美術館」
生誕120周年 長谷川三郎と国立近代美術館 - 東京国立近代美術館
作品リスト
https://www.momat.go.jp/wp-content/uploads/2026/05/d8f4291720a92bd6b98708f0f78678d7.pdf
《狂詩曲 漁村にて》1952
《リズム》c.1952
《宣言》c.1954
アントニー・ゴームリー《反映/思索》2001年
イサム・ノグチ《門》1969年
多田美波《Chiaroscuro》1979年
11時頃に来て、閉館の17時まで楽しめた。