10泊11日の香川・岡山・兵庫旅行、5日目。
ヴィアイン岡山の部屋からの眺め。
今日は曇り。折りたたみ傘を持つ。
9時30分に岡山駅発のJR山陽本線で約20分、9時47分に倉敷駅に到着。
美観地区
有隣荘
大原美術館の創設者である大原孫三郎の私邸、そして倉敷の迎賓館として、1928年に誕生した。
大原美術館本館などの設計も手掛けた、岡山県出身の薬師寺主計による設計。和風建築部分の設計に関しては、薬師寺の恩師である伊藤忠太から指導を受けた。
緑やオレンジ色の屋根瓦が目を引く外観から、緑御殿と呼ばれる。
2024年の改修工事後、初めての公開。
洋間
建設当時は南洋植物を育てることがステータスであったため、隣に温室・テラスもある。
福田美蘭《モネの睡蓮》
モネの睡蓮にちなんで、大原美術館の中庭にある睡蓮の池を描く。大原美術館の睡蓮はモネの邸宅から株分けされたもの。
伊庭靖子《UNTITLED》
福田美蘭《色絵黍文角皿にむらすずめ》
食堂
児島虎次郎がデザインを手掛けた。
一階和室
欄間や襖の引手は辰年生まれの大原孫三郎にちなんで、児玉寅次郎が龍のデザインを考案。畳の良い匂いがした。
庭園には庵治石や鞍馬石の巨石があり、奥には大原美術館も見える。北側の庭には外壁に張り付いた茶室もある。
山口晃《倉敷金刀比羅圖》
瀬戸内海と瀬戸大橋を中心に、倉敷〜香川の都市風景が鳥瞰図で描かれる。有隣荘や大原美術館の姿もある。
会田誠《愛ちゃん盆栽(松)》
二階和室
下には庭園、奥には大原美術館、美観地区の街並みが一望できる。緑やオレンジの優しい色合いの瓦が綺麗。魔除けの鬼獣の後ろ姿も見える。
伊庭靖子《UNTITLED》
花澤武夫《ゴールドベルグ(倉敷眺望)》
エル・グレコの《トレド風景》を援用して描かれた。倉敷の風景が凝縮され、丘陵の頂点には、大原美術館と有隣荘が立つ。
渡辺おさむ《Sanctuary 白鳥》
白鳥がクリームやスイーツで彩られている。
福田美蘭《有隣荘の瓦と笹》
有隣荘を出ると、少し雨が降っていた。
昼食は手打ちうどん おおにしで、美観地区セット。
以前来て、美味しかったお店。
児島虎次郎記念館
2025年4月3日グランドオープン。
建物は中国銀行より寄贈されたもので、2016年まで銀行業務を行っていた。第一合同銀行倉敷支店として、初代頭取の大原孫三郎が建てた。設計は薬師寺主計。
展示室1
イリィ・ネチェル跪坐像、ミイラカバー


ファラオ像、女神イシスまたはネフティス像


猫像、赤像式萼型クラテル、黒像式レキュトス



青釉黒線花文皿
ラスター彩鳥文鉢
青釉鉢
「茶碗に用いたら面白い」と「夏茶碗風」と紹介された
展示室2
黒田記念館の特別室のよう
児玉寅次郎《朝顔》
児玉寅次郎《酒津風景》《和服を着たベルギーの少女》


2階
展示室3
ストックホルム風景、夏のボート、スペインの風景
城門、蘇州の塔
早春、仙酔島
大原孫三郎が、前年に死去した児島虎次郎を記念して1930年(昭和5年)年に設立した、日本で最初の西洋美術中心の私立美術館。
大原孫三郎は1888年に設立された有限責任 倉敷紡績所(1893年に商法施行により倉敷紡績 株式会社と改称、クラボウ)の第2代社長。
作品鑑賞パスポートの提示で、絵葉書2枚を貰えた。
建物に向かって左にはロダン《洗礼者ヨハネ》、右には《カレーの市民》。



スマホで使うオーディオガイドを利用したが、窓口で現金を払ってQRコードを見せてもらい、ウェブに飛ぶという初めてのパターンだった。
コレクション展
OHARAコレクション・ハイライト―収集の軌跡:絵画・彫刻編
展示作品リスト
https://www.ohara.or.jp/pdf/List_of_Works_jp.pdf
〇初期コレクション―大原孫三郎と児島虎次郎による作品収集
1室
エドモン=フランソワ・アマン=ジャン《髪》
大原コレクション第1号。
モーリス・ドニ《波》
クロード・モネ《睡蓮》
この作品は児玉寅次郎がモネから直接譲り受けた。
ポール・シニャック《オーヴェルシーの運河》
アルベール・マルケ《マルセイユの港》
アンリ・マティスエトルタ―《海の断崖》
ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌ《幻想》
ジャン=フランソワ・ミレー《グレヴィルの断崖》
『大原孫三郎筆 大原美術館設立趣旨』1930年11月5日付
『支払手控え:クロード・モネ《睡蓮》』1920年11月23日付
ピエール=オーギュスト・ルノワール《泉による女》
ジャン=ルイ・フォラン《舞台裏―青のシンフォニー》
シャルル・コッテ《聖ジャンの祭火》
2階へ。
アトリウムにはアリスティド・マイヨール《イル=ド=フランスのトルソ》
2室
ポール・ゴーギャン《かぐわしき大地》
世界各地でゴーギャンの展覧会が開催されると出品要請がなされ、近年ではパリのグラン・パレやボストン美術館へ貸し出された。
レオン・フレデリック《万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん》
左側の3枚、中央の1枚、右側の3枚と制作が続けられ、その間25年も費やされた。
最初の3枚には人々が死に絶えていく場面が描かれ、最後の3枚では緑に覆われた大地で生気を取り戻した人々が神の愛に感謝している。
この絵のサイズは建物の横幅にぴったり合っているが、この絵を基準にして建物サイズが決定されたと考えられている。
アンリ=マリー=レーモン・ド・トゥールーズ=ロートレック《マルトX夫人―ボルドー》
ロートレックは印象派の世界に嫌悪を示し、モローやルドンのように幻想的な世界に足を踏み入れることも無かった。
ジョヴァンニ・セガンティーニ《アルプスの真昼》
フェルディナント・ホドラー《木を伐る人》
スイス国立銀行の依頼により2つの紙幣のデザインを手掛け、その図柄のうちの一つがこの絵。
構想を練るため、ホドラーはほぼ同じ図柄の油彩画を何点か描いているが、それらはオルセー美術館やスイス連邦政府が所有している。
第二次世界大戦中、愛国意識の高まりとともにホドラーを国民画家として称賛する動きが大きくなった。そのため国外にあった作品が買い戻され、スイス国外では作品を目にする機会が減ることになった。
ヨゼフ・ベル《慟哭》
フランツ・シュトック《人類の復活》
◯大原總一郎時代のコレクションと活動
印象派のグループ展は8回開催されたが、全てに出品した唯一の画家がピサロ。
そのピサロがグループ展に新たに招こうとしたのが、スーラとシニャック。科学的な点描画法を進める2人の参加をめぐって、ルノワールやシスレーは展覧会への出品をやめ、8回展で展覧会そのものがなくなる。
8回展へのピサロの出品作が、この《りんご採り》。
ポール・セザンヌ《風景》
セザンヌの「自然を円筒、円錐、球体として把握する」という言葉は、キュビスムなどその後の様々な前衛美術運動の土壌を整えた。
ワシリー・カンディンスキー《尖端》
ジョルジュ・ブラック《座る裸婦》
藤田嗣治《舞踏会の前》
シャイム・スーティン《吊るされた鴨》
スーティンはモディリアーニなどとともにエコール・ド・パリを代表する作家。
ジョルジュ・ルオー《道化師(横顔)》
3室
エル・グレコ(ドメニコス・テオトコプーロス)《受胎告知》
4室
ルチオ・フォンタナ《空間概念 期待》
赤く塗ったカンヴァスにカーブを描く三筋の切れ目。
時代が移り、人々の生活が変わっても、絵画や彫刻などの芸術の枠組みが変化しないことに強い疑問を抱いていたフォンタナは、カンヴァスに穴を開け、絵画という枠組みを突破しようとした。
「画家としてカンヴァスに穴を穿つとき、私は絵画を制作しようと思っているのではない。私は絵画の閉鎖された空間を超えて無限に広がるよう空間を開け、芸術に新しい次元を生み出し、宇宙に結び付くことを願っている。」
ジャクソン・ポロック《カット・アウト》
ポロックはカンヴァスを床に置き、絵の具を滴らせたり飛ばしたりするドリッピングの手法を生み出した。
この手法を用いると、画家の身体の動きの痕跡が画面に残されつつも、画家の意識が統御しきれない偶然が作品の表現となる。
ハンス・アルトゥング《T1948-16》
青木繁《男の顔》
藤島武二《耕到天》
安井曾太郎《外房風景》
古賀春江《深海の情景》
今井俊満《早春》
吉原治良《白い円》
1階へ。
◯無為村荘—児島虎次郎そしてARKO
5室
ARKO(Artist in Residence Kurashiki, Ohara)とは、倉敷市酒津にある児島虎次郎の旧宅無為村荘内のアトリエを活用した滞在制作事業のこと。
児島虎次郎《画室の前》《春の光》《酒津の秋》
津上みゆき《ARKO_scketch_color_01》
押江千衣子《こだま》
北城貴子《Reflection -muison-so-》
名知聡子《楽園への追放》
◯1968年以後の作品収集—21世紀にむかって
6室
クロード・モネ《積みわら》
エドゥアール・マネ《薄布のある帽子の女》
アメデオ・モディリアーニ《ジャンヌ・エビュテルヌの肖像》
ジャスパー・ジョーンズ《灰色の国旗》
草間彌生《No. RED. Z. A. 》
靉嘔《禅》
横尾忠則《ロンドンの四日間》
◯21世紀の作品収集
7室
浅野友理子《くちあけ》
津上みゆき《View- "Cycle" 26 Feb. -10 Apr., 05: Places》
工芸館と東洋館も見る。
分館は休館中。
美観地区
廣榮堂 倉敷雄鶏店で、ロング調布を購入。
倉敷アイビースクエアを通る。
阿智神社
88段の米寿段、61段の還暦段、33段の厄除段、随神門の7段、拝殿の5段、荒神社の3段を登ることで、母なる神の身の内、生命力の根源に達するとされている。
境内には磐境・磐座と呼ばれる多くの石組(古代祭祀遺跡)が点在していて、特に鶴亀の磐境は日本固有の信仰と陰陽思想などの大陸文化が融合した神仙蓬莱様式という形で古代庭園とも呼ばれる。
米寿坂88段
阿智の藤は、推定樹齢300〜500年で、岡山県指定の天然記念物。
倉敷えびす商店街 - 心のこもった手作り作品の中から…あなただけの一品をお探しにお越し下さい。
倉敷駅・美観地区からすぐ近くのショッピングゾーン~倉敷センター街
17時56分に倉敷駅発のJR山陽本線で約20分、18時14分に岡山駅に到着。
桃太郎像は約100m先移動した。
さんすて岡山の立町カヌレでカタラーナを購入。
広島スイーツを通販・お取り寄せで楽しめる 立町カヌレ | Castagna | カスターニャ
今日のホテルは、ヴィアイン岡山。
シングルA、13㎡。
https://www.viainn.com/okayama/
2025年04月24日~05月04日 香川・岡山・兵庫旅行