10時27分に乃木坂駅に到着。
昼食にカフェ 加賀麩不室屋で、くるま麩のフレンチトーストを食べる。
カフェ 加賀麩不室屋(サントリー美術館内) | 加賀麩不室屋
出品作品リスト
https://www.suntory.com/sma/exhibition/visual/2024_3/list.pdf
江戸時代の大名家・尾張徳川家に伝えられた重宝、いわゆる「大名道具」を収蔵する美術館。徳川義親によって1931年(昭和6年)に設立された公益財団法人徳川黎明会が運営する私立美術館で、昭和10年に開館した。
徳川家康の遺品をはじめ、初代徳川義直(家康の9男)以降の尾張徳川家の歴代当主やその家族らの遺愛品を中心に、国宝9件、重要文化財59件、重要美術品46件を含む総数1万件余りを収蔵する。
まずはエレベーターで4階へ、第1展示室。
第1章 尚武 もののふの備え
陣太鼓、桃山-江戸時代・16-17世紀、徳川家康所用
家康が合戦で使用したと伝わる
銀溜白糸威具足、江戸時代・17世紀、徳川義直(尾張家初代)着用
銀色の鎧、日の丸の前立てもカッコいい。
松明、桃山-江戸時代・16-17世紀、伝 徳川家康所用
家康が備蓄用に遺したと伝わる。
徳川家康画像(東照大権現像)、伝 狩野探幽筆、江戸時代・17世紀、徳川宗春(尾張家7代)所用
太刀 銘 長光 名物 津田遠江長光、鎌倉時代・13世紀、国宝、織田信長・明智光秀・津田重久・前田綱紀・徳川綱吉(5代将軍)・家宣(6代将軍)・徳川吉通(尾張家4代)所持
刀 銘 村正、室町時代・16世紀、徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
刀身全面に刃文を焼く皆焼と呼ばれる刃文が特徴。徳川家に祟りを成す妖刀として恐れられたという話は後世の創作であった可能性が高いらしい。
脇指 無銘 貞宗 名物 物吉貞宗、南北朝時代・14世紀、重要文化財、豊臣秀吉・秀頼・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
家康がこの脇差を帯びて出陣すると必ず勝利したと伝わることから、全ての良いことの兆しという意味で物吉と名付けられた。
短刀 銘 相州住正宗 嘉暦三年八月日 名物 大坂長銘正宗、鎌倉時代・嘉暦3年<1328>、細川幽斎・豊臣秀吉・秀頼・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
1614年に大阪冬の陣を前に、この短刀を添えて、秀頼は島津家に書状で加勢を頼んだが断られたことが文献に残っている。
丸木橋図三所物 無銘 祐乗 御家名物、伝 後藤祐乗作、室町時代・15世紀
獅子図目貫 無銘 乗真、伝 後藤乗真作、室町時代・16世紀
桐に鳳凰図赤銅鐔 銘 菊岡光利(花押)、菊岡光利作、江戸時代・19世紀
兎図透鉄鐔 銘 尾府住則亮作、初代則亮作、江戸時代・19世紀
唐銅飛龍形百目大筒、江戸時代・17世紀
龍の口から砲弾が出る。
第2章 清雅 ―茶・能・香―
蘆葉達磨図、宮本武蔵筆、江戸時代・17世紀、重要美術品
唐物茶壺 銘 金花 大名物、南宋-元時代・13-14世紀、六角氏・織田信長・豊臣秀吉・松井有閑・徳川家康・徳川頼宣(紀伊家初代)・松平頼純(伊予西条松平家初代)所持
信長公記によると、1576年の安土城天守完成時に祝賀の品として信長に贈られた。
三島茶碗 銘 三嶋桶 大名物、朝鮮王朝時代・16世紀、伝 千利休・道安・松花堂昭乗・徳川義直(尾張家初代)所持
灰色の素地に文様に白土を象嵌した高麗青磁の一種。模様が独特。
井戸茶碗 銘 大高麗 大名物、朝鮮王朝時代・16世紀、安宅冬康・徳川義直(尾張家初代)所持
黒と白のコントラスト、黒地に白く浮かび上がる植物文様を枯れ枝に見立てた。
唐物茄子茶入 銘 茜屋 大名物、南宋-元時代・13-14世紀、茜屋吉松・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
瀬戸肩衝茶入 銘 筒井 大名物、室町時代・16世紀、筒井順慶・徳川義直(尾張家初代)所持
油滴天目(星建盞)、南宋時代・12-13世紀
千利休竹茶杓 虫喰、桃山時代・16世紀、徳川綱誠(尾張家3代)・松平義行(高須松平家初代)・松平義真(梁川松平家3代)所持
古銅砧形花生 銘 杵のをれ 大名物、元-明時代・14-15世紀、浅野幸長・徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所持
初代義直の正室・春姫の父である浅野幸長の遺物として徳川家康に贈られた。
古芦屋八景釜、室町時代・16世紀
上面から見れば八角の菊花形。八角の各面に一景ずつ、近江八景とみなされる山水図が鋳出されている。
古染付手桶形水指、明時代・16-17世紀、徳川斉荘(尾張家12代)所持
紅地柳に蹴鞠文唐織、江戸時代・19世紀
花の丸図鎮扇、江戸時代・19世紀、徳川慶勝(尾張家14代)所用
白地鉄線文鬘帯、江戸時代・18-19世紀
階段で3階に降りて、第2展示室。
第3章 求美
純金葵紋蜀江文皿、江戸時代・寛永16年(1639)、重要文化財、霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
純金葵紋牡丹唐草文盃、江戸時代・寛永16年(1639)、重要文化財、霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
1639年に家光の長女の千代姫が数え3歳で、尾張家2代の光友に嫁いだ際の婚礼調度と推測される純金の調度で、これら2点を合わせて27点が現存する。
白綸子地鼓に藤・杜若文打掛、江戸時代・19世紀、貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝正室)着用
金色の鼓革が良い。衣桁も綺麗。
松橘蒔絵貝桶・合貝、江戸時代・安永9年<1780>、聖聡院従姫(尾張家9代宗睦嫡子治行正室)所用
合貝は二片一対であることから、貞節や夫婦和合の象徴とされ、貝桶は婚礼調度の筆頭道具とされた。
箏 銘 青海波、桃山-江戸時代・17世紀
誰が袖蒔絵硯箱、江戸時代・17世紀
第3展示室へ。
香木 手鑑香 銘 蘭奢待 十種名香の内、源頼政・太田道灌・東福門院和子ほか所用
銀檜垣に梅図香盆飾り、江戸時代・17世紀、重要文化財、霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
香木をたいて香りを楽しむための銀製の道具一式。
青磁香炉 銘 千鳥 大名物、南宋時代・13世紀、徳川家康・徳川義直(尾張家初代)所用
石川五右衛門が伏見城の秀吉の寝室に忍び込んだ時、蓋の千鳥が啼いたため捕えられたという浮説がある。
金彩鯱香合、樂旦入(樂家10代)作、江戸時代・19世紀、徳川斉荘(尾張家12代)所持
秋の野蒔絵十種香箱、江戸時代・18世紀、智岳院邦姫(尾張家8代宗勝4女)所用
菊折枝蒔絵香簞笥、江戸時代・17世紀
菊折枝蒔絵調度は、1836年に五摂家筆頭の近衛家から尾張家10代の斉温に婚した福君の婚礼調度。調度80件、雛道具120件を数え、一括して現存する大名婚礼調度として最大規模。
新六歌仙画帖、詞 真敬法親王筆・絵 狩野常信筆、江戸時代・17-18世紀、越前松平家伝来
短冊色紙貼交帖「言葉の林」、江戸時代・19世紀、徳川斉荘(尾張家12代)所用
12代斉荘が交流のあった人々の短冊や色紙を蒐集して貼り込んだ。どれも綺麗。
朗詠屛風、近衛信尹筆、江戸時代・17世紀
源氏物語を絵画化した現存最古の作例。
耕穫図屛風、狩野探幽筆、江戸時代・17世紀
富国の源は農にあり、君の徳は民の苦労を知ることにあるとする勧戒的な意味が込められている。
初音蒔絵旅眉作箱、江戸時代・寛永16年(1639)、国宝、霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用
1639年に家光の長女の千代姫が数え3歳で、尾張家2代の光友に嫁いだ際の婚礼調度。
源氏物語第23帖に題材をとった「初音蒔絵調度」47件、第24帖に基づく「胡蝶蒔絵調度」10件、その他13件の計70件が1996年に一括して国宝に指定された。
旅眉作箱は、携帯用の化粧道具箱。
今日のオーディオガイドは合わなかった。