東京都庭園美術館へ。
1933年(昭和8年)に竣工した朝香宮邸は、1955年(昭和30年)~1974年(昭和49年)の間は白金迎賓館として赤坂迎賓館の開設まで使用され、1983年(昭和58年)10月1日に東京都庭園美術館として一般公開された。
2023年は開館40周年だった。
11時00分から、庭園レストラン コモドで、展覧会コラボメニュー「旧朝香宮邸を読み解くA to Z 企画展ランチコース」。
:comodo restaurant(レストラン コモド)- 東京都庭園美術館のCafe & Restaurant
メニューhttps://www.teien-art-museum.ne.jp/wp-content/uploads/2024/02/teienrestaurant_comodo_menu.pdf
大客室のシャンデリア、ルネ・ラリック作の〈ブカレスト〉をイメージした前菜
真鯛とホタテカルパッチョ アール・デコスタイル 焼き蕪のクレマにキャビアを添えて
グリンピースのポタージュ 桜エビのクロカンテ ポレンタとグラナチーズのクランブル
米澤ポーク肩ロースのコンフィ 人参のペスト 玉葱とマスタードのソース
波型のキャラメルクリームは妃殿下寝室の照明のシェードを、白と黒のチョコレートはウインターガーデンの市松模様のモダンな設えをイメージしたもの
フランボワーズショコラブロン ジェラートを添えて
コーヒーまたは紅茶
開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z
普段は美術館の会場として展示物が置かれている旧朝香宮邸だが、この展覧会では邸宅自体を目的として見ることができる。
ホームページに「この館に込められたキーワードを拾い集め、解き明かす—」とある通り、各部屋に「アルファベットのAからZを頭文字に持つキーワード」に関する解説パネルがある。
更に、片面に解説文、もう片面に写真のあるポストカードより大きめの紙が置かれていて、持ち帰ることができる。
旧朝香宮邸は、明治初期に建てられたアール・デコ様式の建造物で、国の重要文化財に指定されている。
アール・デコの名前は1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels modernes)」の略称を由来とする名称で、1925年様式(LE STYLE 1925)とも言われる。
この博覧会は20世紀の新しい芸術と産業の融合をテーマとしたもので、アール・デコ様式は機械文明を象徴するようなジグザグ模様や幾何学形態が特徴。
正面玄関のガラスレリーフの扉には、ルネ・ラリックによる女性像。
アンリ・ラパンのデザインによる大広間。
正面のマントルピースは黒とゴールドの大理石で、上には15枚の鏡がはめ込まれている。階段脇の白大理石のレリーフはブランショ「戯れる子供たち」。
大広間と大客室をつなぐ次室には、フランス国立セーブル製陶所で制作された香水塔。
第一応接室、小客室。
大客室(デザイン:アンリ・ラパン)には、ルネ・ラリックによる2灯のシャンデリア、マックス・アングランによる扉があり、どちらも植物がモチーフとなっている。
大食堂(デザイン:アンリ・ラパン)にあるルネ・ラリックによるシャンデリア、マックス・アングランによる扉は、どちらも果物がモチーフとなっている。壁面を覆う銀のレリーフはブランショのもの。
2階に上って、2階広間から、若宮寝室、合の間、若宮居間。
1階の客室は主にフランス人のデザイナーが担当したのに対して、生活の場である2階は宮内省内匠寮の技師たちが落ち着きのあるデザインを手掛けた。
書庫、書斎、殿下居間(デザイン:アンリ・ラパン)。書斎は正方形の部屋の隅に飾り棚を設置することにより室内が円形で、天井もドーム状になっている。扉の取っ手は象牙でできている。
ベランダは白と黒の市松模様の大理石。
妃殿下寝室、第一浴室、殿下寝室。
北の間、妃殿下居間。
姫宮寝室、姫宮居間。居間にはサーモンピンクの大理石のマントルピースに円形の鏡、寄せ木の床。
3階のウインターガーデンは、温室として使用されていた。
人数制限があった。
1階に降りて、小食堂を見て、新館へ。
新館では「さいごにおさらい 朝香宮家の家づくり」。
A~Zのポストカードだが、確認するとSだけ抜けていた。
新館には各アルファベットがどの部屋にあるかを示す地図があり、それを確認すると正面玄関、つまり受付の外だった。
新館には、ポストカードをまとめるための穴あけパンチや、表紙となるカードも置いてあった。
このカードを集めるというシステムは面白く、持ち帰ることで思い出にもなるので良かった。
正面玄関でSのカード「SATINE」を手に入れて、建物を出る。
敷地には、芝庭、日本庭園、西洋庭園があり、日本庭園内の茶室「光華」は重要文化財。
東京都庭園美術館公式アプリもある。
恵比寿まで行き、Galerie LIBRAIRIE6で第114回企画 網代幸介「アジロの地下都市」展を見る。
第114回企画 網代幸介「アジロの地下都市」展 – Librairie6